高知県森林インストラクター会
 平成19年9月30日、「四国カルストの自然と紙漉き体験」を開催しました。
 参加者21名、森林インストラクター6名で、梼原町太田戸の「かみこや」を訪れました。
 到着して、秋澤会長より挨拶と今日の日程の説明をし、つづいて、自然散策と紙漉に使う材料集めです。
 今回の講師であるアウテンボーガルトロギール(オランダ出身)さんは、和紙に魅せられ、高知のこの梼原町太田戸で活動しています。昔ながらの和紙の原料や伝統文化へのこだわりは強く、和紙漉きの体験受入れを行っています。
 この辺りは、昔は山の斜面は三椏の生産が盛んでしたが、拡大造林の時にスギやヒノキを植えたそうです。和紙づくりで生計をたてていた山の暮らしがあったそうです。

▲太田戸に到着。まずは森林散策。と同時に、午後から紙漉きで漉き込む材料を探します。

▲このくらいの和紙を漉きますので、漉き込む季節の草木の材料はみなさんのそれぞれの自由です。歩きながら採集していきましょう。

▲和紙の原料の桑(クワ)です。この辺りでは、自然の桑、楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)が生えています。ロギールさんが教えてくれました。
▲インストラクターも「この木は何やろう?」と聞かれると「どれどれ・・・、これはですねぇ」と説明をしました

▲特製かみこやランチ。いただきま〜す。
 今回の楽しみのひとつ「かみこやランチ」。
 こちらの女将、ロギールさんの奥様・千賀子さんが腕を振るいます。野菜スープ、パスタに、サラダに、特製ピザは3種類。できるだけ地産地消で自然にやさしい材料にこだわっています。例えば、ピザは、地元でとれた野菜やイタドリなどの山菜がのっています。
 う〜ん、おいしい。
 しっかりした野菜の味をさっぱりとした味つけに、洋食ランチでしたが、年齢の高い参加者も美味しく全部いただきました。
 ロギールさんの指導で、紙漉き体験の始まりです。紙漉きに入る前に、原料の楮や三椏の収穫や和紙に関する話を聞きました。

▲木槌で繊維をたたいてこまかくしていきます。

▲叩いて細かくほぐした繊維に、ネリのトロロアオイを入れます
▼午前中に採った季節の材料を、思い思いにデザインして置きます。

▲なかなかえいねぇ。ほかの参加者の作品を鑑賞
 紙漉きをとおして、様々な日本の山の伝統文化を学んでいただきたいというロギールさんの丁寧な指導を受けて、手漉き和紙の原料栽培から紙漉き〜作品制作まで、営まれてきた山の暮らしを学びながら体験できました。
 漉いた和紙は、自然乾燥をして1週間くらい後に届くそうです。楽しみ♪
 「かみこや」の前で記念撮影。
 カルストのきれいな空気や緑、美味しい特製ランチ、紙漉を一日堪能しました。

 ロギールさんは、私たちも知らなかった和紙、特に、この地でとれる材料へのこだわりや、私たちが忘れかけている伝統の技、昔の人々の山の生活で培われてきた知恵や自然への感謝を教えてくれました。
この事業は「森林環境税」を活用して行いました(こうち山の日イベント)
掲載日:2007年10月22日
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